日本語の響きを大切にしながら、叙情味あふれる独自のスタイルを堅持した村下孝蔵の美しい歌世界。子どもの頃に大切にしていたはずなのに、大人になるにつれていつのまにかどこかに忘れてきた純粋な想いの扉を、歌がそっと開けてくれるのだ。そこには例えば、誰もが経験する、あの淡い初恋の想い出があったりする。だから彼の歌は何年経っても決して色あせない。初恋の想い出がいつまでも色あせないように。(木村ユタカ) 村下孝蔵氏の訃報